吉田健太郎ゼミ体験型観光班による産学連携プロジェクト報告

吉田健太郎ゼミ 鈴木美南さん、吉津実咲さん、 小林聖佳さん、 山口颯斗さんによる産学連携プロジェクト報告です。

吉田健太郎ゼミ体験型観光班

執筆者:鈴木美南 吉津実咲 小林聖佳 山口颯斗

【プロジェクト経緯】
昨年度より静岡の製茶製造販売店と産学連携プロジェクトを始動し、産地の課題解決にむけたプロジェクトを実践すべくパイロット調査を実施してきました。昨年度実施した参与観察と聞き取り調査からは、茶摘み体験の参加者数は若い女性を中心に順調に増えているものの、生業の「お茶」の販売には結び付いていない本質的な課題を抱えていることがわかりました。そこで、①体験型観光に訪れる(年間約1万人)をターゲットとした新商品開発を行うこと、②その新商品を現場で喜んで購入してもらうための仕掛けとなる体験サービスメニューの拡充が有効になるのではないかとの仮説を導き出し、茶葉を使った「売れる商品の開発」と「売れる販売方法の構築」を行なっています。

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企業(蔵屋鳴沢)にて行われた会議の様子

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ゼミ生が茶摘み体験を行った様子

【商品のこだわり】
パイロット調査の結果、企業は体験を通じお茶のおいしさを伝えたい一方、顧客の「映え」を目的としたSNS発信、その地ならではの商品ニーズが判明しました。このニーズの乖離から「お茶のおいしさが伝わる商品が体験後の購買に繋がるのではないか」との仮説を立てました。企業の強みである景色、茶摘み衣装、お茶の専門性をブランド価値構造に落とし込み、その地でしか買えない?映えない、かつカスタム商品で差別化しました。また、企業が顧客のニーズに応え続けるために共創価値が有効だと考え『インスタ映え』を活用し、顧客との関係構築を図りました。

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企業と開発した新商品ドリンク


【吉田健太郎ゼミ】
大学ゼミと企業とがコラボして新商品開発、販路開拓を実践し、どのような成果を生み出すのか、企業?学生?社会にどのような成果や学びがもたらされるのか、持続可能な社会の実現を切り口に、ゼミで企画する産学連携による販路開拓と新商品開発の実践から有効性を検証しています。アントレプレナーシップ論?事業創造論の理論の実践を通じて、学びの幅が広がることが期待できるとともに、企業や社会人との協働作業を通じて、人間力の向上へとつなげることが狙いです。


【企業概要】
(株)蔵屋鳴沢は静岡県伊豆の国市にある「韮山反射炉」横で大正時代より観光業を営んでいます。現在では土産売店、レストラン、茶畑?製茶工場、ビール醸造所が有り、自社で製造するお茶、クラフトビールを中心に地場の産物の販売や料理の提供を行っています。
会社名:株式会社蔵屋鳴沢 代表取締役 稲村浩宣
所在地:〒410-2113静岡県伊豆の国市中272-1
電話番号:055-949-1208 FAX:055-949-5022

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茶摘み体験の様子

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蔵屋鳴沢の茶畑からみた風景